
相続放棄手続の相談を受けていると「被相続人が道外で亡くなったのですが、相続放棄の手続をお願いできますか?」と聞かれることがあります。
当事務所にご相談にいらっしゃる方(ご相続人)のほとんどが札幌・札幌近郊の方ですが、被相続人の死亡地が道外であることは珍しくありません。このようなときでも、相続放棄の手続をご依頼いただくことは可能です。
被相続人が道外で亡くなった場合、何が難しいのか
被相続人が道外で亡くなった場合は、多くの方が専門家に手続を依頼されます。それは、被相続人が遠方で亡くなった場合に、手続をどのように進めてよいか分かりにくいためです。
相続放棄の申述は、家庭裁判所に対して行いますが、どこの家庭裁判所でもよいわけではありません。家庭裁判所には管轄があり、相続放棄の申述は「被相続人の最後の住所の家庭裁判所」に対して行う必要があるのです。
まず、管轄を調べるのが大変
たとえば、相続人が札幌にいて、被相続人の最後の住所地が「岐阜県恵那(えな)市」だったとします。相続放棄の申述は、札幌家庭裁判所ではなく、管轄である「岐阜家庭裁判所 中津川出張所」に対してしなければいけません。
ほとんどの方が裁判所を利用するのは初めてでしょうから、管轄を調べるだけでも一苦労ともいえます。
実際の手続も、裁判所によって異なる部分がある
家庭裁判所によって、実際の手続も異なる部分があります。たとえば家庭裁判所に相続放棄申述書を提出する際に送る郵券(郵便切手)ですが、家庭裁判所ごとに違います。
また、相続放棄申述書を提出した後に届く「照会書(注)」の形式も、裁判所によって異なります。
(注)相続放棄申述書を提出した後に、申述内容の再確認のため、申述人(相続人)に届くいわば質問書です。申述人は、質問事項に回答して、家庭裁判所にそれを再度提出しなければいけません(回答の仕方によっては、相続放棄が認められません)。なお、相続放棄の手続を当事務所にご依頼いただくと、その質問事項の回答例も当事務所にて作成いたします。
このように、被相続人が道外で亡くなった際は注意しなければいけないことが多くあります。札幌・札幌近郊にお住いの相続放棄を検討されている方は、ぜひ当事務所にご相談ください。